雪降る音は遠い
榊 慧

約束の上
汚い復興、羊の数をかぞえて。

積み重ねた崩れ落ちた
滲んだくらいのダイヤモンド

なかんづく相対死するほどの
黒い洋傘と英霊は時雨になった

憧れてた世界は現実的に生きているオレンジのノートは過去、
あの人、
「約束を破った」世界。
星と半月と海と雑踏の夜
ドライフラワーの欠片。

揺れ揺れて
目をそらした
赤とんぼがとまっている日
木枯らしが泣いている日は

遠い人が作ったモヒート
誰も気付かないもののけ
雪解けを入れて滅した人魚の日々。
「メスカリン」


自由詩 雪降る音は遠い Copyright 榊 慧 2013-04-02 21:14:25
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