微熱
蒼木りん

私に許された我儘は 

髪を長くのばすこと

怠惰は

必要だから眼を瞑る

求めれば

眼が啓く

ずいぶんと永いこと

誰も私に気づかない

気づかないふりで

私はそこに居ない

ぶり返す恋心は

重い荷物を降ろした後

しおしおと来た

今夜は

満月のようだ

風がやむ

こんなときに何故

熱をもつ乳房

布一枚の裸体

剥いでしまえ

髪で隠された情熱は

分け入って

あなたに見つけて欲しい







未詩・独白 微熱 Copyright 蒼木りん 2004-12-26 23:33:17
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