かたびら
鵜飼千代子


さらっとしながら
肌を刺すような
雪国の冷気も

真夏の高原の朝の
ぴりぴりくる
肌寒さも

その土地の
その季節が抱える
1日の予告

真夏のひまわり畑で
落雷や夕立も思わず
はしゃぐのとは
カードの裏表だね

常に黄色の信号で
樹海をさ迷っていたから
だけど
ずっと手を繋いでいてくれたから
慣れたし覚えたよ

直ぐに撤収出来る
タイトな設営
そんな暮らしの中で
テントでのささやかな


そういうかたちになりました
そういうしつけをされました

だけどこれは
わたしだけのこと

わたしが手に入れた宝物だから

内緒なんだよ





自由詩 かたびら Copyright 鵜飼千代子 2013-03-26 03:21:54
notebook Home