瞳のなかのストーリー
梅昆布茶

君の鳶色の瞳のなかの風は幾千の山河を超え海峡をわたり

誰かを愛し哀しみを孕んで僕のこころに届くのだ

君の襟足は短く切り揃えられまるで夏のひなたの匂いがした

南回帰線から君の便りが届くころ僕は午後の微睡みに捉えられて居た

僕たちは水晶玉でふたりの未来を占ったね

公園の片隅で君にキスしたとき君は少し泣いた

僕はびっくりして謝ったっけ

そんな幼い恋だったな



君の涙はアメジスト

君の笑顔のアマリリス

君の呼吸は空の風

僕の想いは鳳仙花

パチンと弾けて唄います


からめたゆびも愛しくて
むねがキューンとなりまして
恋の行方ははてさてめっきり気弱であるけれど
やっぱり君に恋してる

悲しい僕の日記帳
涙の跡がありました



自由詩 瞳のなかのストーリー Copyright 梅昆布茶 2013-03-26 02:40:19
notebook Home 戻る