もう星は
竜門勇気


誰かに似た人を
好きになり始めた
結局僕は
面影を頼りに
ふらつくクズ野郎だ
どこかの教会で
浅い金属が鳴る
頭のなかで幾つか答えが浮かんだ

八月の終わりの
猫背の信号機を
心のなかで
埋葬する
クズ野郎は僕一人ではない模様
猫背の葬儀の
乱れた長い葬列に臨む

もう星は
星じゃないんだ
新しい場所なんだ

ロケットは
心を乗せてだけ
ソレだけの力でしか飛べない

もう僕は
誰かに似た人しか
好きになれなさそう
あとで開けようと思ってた
安い蓋が
後になってみたら
錆び付いて開けれない

もう星は
光じゃないんだ
熱じゃないんだ
惑う事ないんだ

目印なんて
迷うだけ
気づいたら進んでる方が
前なんだ

さみしくはなかった
悲しくもなれなかった
さあ
死にに生きようぜ
進むだけだ
別れて離れて一人になって
進むだけだ
もう星はいらない
光はいらない



自由詩 もう星は Copyright 竜門勇気 2013-03-05 01:26:10
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