唾を呑む音から物語りは終わる
朝焼彩茜色

唾を呑むサウンドがトランペットの吹く空気に触れる
一寸先の昼間の終わる頃
己の残像が赤道をつたい一周する

あらかじめ光速を蓄えておく

物語の奥深く数字に置き換えられない おおざっぱな荒野

唾を呑む虫の音がドラミングの胸を貸す
テリトリーを消去した隠滅に瞳を流す
己の過ちを置き去りに

あらかじめ意味深を漂わせ それを風に預けて

物語のくしゃみが無くなるまで 走りぬける おおざっぱな荒野を

 
 逃げ方を走り方に変化させ 腕を振る
 唾を呑まずにすむ 深呼吸をスースー

 ハーハー

 中途半端過ぎる半ばを越した頃
 おおざっぱな荒野にくしを入れる

 走って走って解いてゆく
 走って走って溶かしてゆく

 意味深を預かった いつかの風が潤いを含みながら

 スースー

 ハーハー頬を触ってくれる

 正気までの己の縁を広げて広げて
 数字で示さない曖昧さの精神の本音 広げてゆく

 走って走って音速まで足を慣らす
 走って走って魂に走らせ 光速に慣らす 精神の音

唾を呑む 精神の音

 スースー

 ハーハー


自由詩 唾を呑む音から物語りは終わる Copyright 朝焼彩茜色 2013-02-26 11:32:19
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