奇跡が連続するキセキ
夏美かをる

自分や自分の愛する人が
明日隕石に当たって命を落とすとは
恐らく誰も思わないだろう
だから
いつも通り私達は
目の前の人にお休みを言って
今日という日を
当たり前のように見送る

ある数学者によると
その確率は
百億分の一だという

その数字をどう解釈すればいいのだろう?

限りなくゼロに近い数字だから
大丈夫さ!と
鼻で笑って
忘れてしまえばいいのだろうか?

だけどその数字は
決してゼロじゃない

もしかしたら
私達はそれぞれ
百億分の九九億九九九九万九九九九の
奇跡の連続の中で
生き抜いているのかもしれない

だから明日
いつも通りに朝が訪れて
いつも通りに目覚めたら
その人の目をちゃんと見つめて
ていねいに ていねいに
「おはよう」と言うことにしよう


自由詩 奇跡が連続するキセキ Copyright 夏美かをる 2013-02-22 05:31:30
notebook Home 戻る  過去 未来