ゴッホ 「カラスのいる麦畑」
yamadahifumi





僕の目の前に

ゴッホの「カラスのいる麦畑」の絵がある

それはまるで子供の描いた絵のように僕の前に掛かっているが

それは同時に子供には決して描けないものも含んでいる

それは嵐の前の晩のように

何かの予兆をはらんでいて

希望とも絶望ともつかない

二十世紀へ突入する現実を

映し出しているかのよう

僕の目の前に

ゴッホの「カラスのいる麦畑」の絵がある

それは人々がこの絵に対して無限に費やしてきたともいえる

沢山の言葉達をはねのけて

まるでまっさらな処女の少女のように

僕の目の前にこうして掛かっている

僕はそれを見て、一人でこうしてここで生きている 

絵の奥に続く世界を

現実という拙劣な一枚の絵の中から

想像しながら


自由詩   ゴッホ 「カラスのいる麦畑」 Copyright yamadahifumi 2013-02-16 01:28:27
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