夜に浮かぶ光のように
梅昆布茶
夜に浮かぶ幻想群
いつも夜の湾岸線を走る度に思うのだ
川崎と木更津を結ぶアクアラインも然りだが
陸上の建造物よりも海上の光のなかに浮かびあがった巨大建造物は
何故か深く心を打つ
新木場から大井埠頭を繋いで建造された東京湾ゲートブリッジ
レインボーブリッジもそうだがひとつのモニュメントとして夜の闇のなかに
光の塊にも見えるその姿はその光の効果をあらかじめ意識して
設計されたものに思われる
まるで海上に不時着した未確認飛行物体のように僕には思えるのだ
人間のものを創るというダイナミズムの孤高の尖峰に似ている
海の底を穿ち僕たちは文明の血流の路を伸ばし続けて来た
力学に叶った優美なアーチをもつイルミネーションで飾られた橋梁は
夜の魂を何処へいざなってゆくのか
黄泉の国かあるいは何処かで未来の輝かしいビジョンにでも
つながっているというのだろうか
歴史という巨大な車輪のした文明の果てから
何かが伝達される
ただそれは無数のLEDに粉飾された幻想にすぎないのかもしれない
でも僕の心をいつも打つ美しい
大切な風景とも思えるのだ