強くなりたいと歌うのも疲れたよ
凪 ちひろ

強くなりたいと歌うのも疲れたよ
強いと称えられる人も 結局弱くて
強いと思い込んでいる人は 弱さを知らないだけ

大人になれば 少しは変わると
たしかに 信じた時もあった
いつからか 気づいてしまった
繰り返し繰り返し
弱さを思い知ることを

築き上げたものが 一瞬で崩れるとき
あなたは何を 見るのでしょう
桜が咲いたことに気づくの?
桜が散ったことに気づくの?

だれもみな自分以外の誰かに
なりたいと願ってばかりで
本当の自分をつかんでも
壁にぶつかれば 砂のようにこぼれていく

冷たい布団の中で 命が凍えていく音を聞く
誰でもいいから 添い寝して欲しいような夜は
窓の外の星を見上げるの
明日は良いことあるかな
「良いことは自分で作るものよ」
誰かが言った

強くなりたいと歌うのも疲れたよ
本当はみんな 弱いのよ あなただけじゃない
わたしだけじゃない

泣きだしそうな日
泣いてしまった日
何か変わったかしら

生きたい 気持ちが必要なの
誰もそれを あなたに与えられない

見つけるしかない その胸の中の
生きる力 かけらでもいいから

にぎりしめて にぎりしめて
信じて 進むしかない
一人で歩いていく

一人一人が 誰かと出会い
そこから また始まる


自由詩 強くなりたいと歌うのも疲れたよ Copyright 凪 ちひろ 2013-01-29 02:14:09
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