ブレーキ祭り
赤青黄


―お客様お客様ブレーキお一ついかがですか?

―いえ、間に合ってますんで大丈夫です

―そんなことを言わずに、ささ自転車のブレーキでも

―いや、俺自転車乗れないんで

―それでは三輪車のブレーキを

―いや、俺おっきくて乗れないんで

―それでは一輪車でも

―いや、それにブレーキ要らんでしょ



…あなたはずいぶんメンドクサイ男ですな



―どっちが

―ではとめどなく溢れる水を押しとどめる

―いやいやいやいやなんのブレーキだよ

―蛇口ですよ

―ジャグジー?

―ではとめどなく瞳から溢れる水を押しとどめるその

―いやいやまぶたは間にあってます

―それではとめどなく流れる涙を押しとどめる

―ハンカチーフですねわかります

―では川の上からどんぶらこ

―いやもう水責めはいいです

―ではあなたの心のブレーキを

―直球ですね

―じゃあ電車のブレーキは?

―とってつけたようにいわれても

―んじゃあプラレールの

―だからとってつけたように言われても

―んんじゃあプラレールのトマースの

―トマースってなんだよ

―ええいそれでは飛行機のブレーキを

―投げやりですな

―投げ槍ではないです

―そりゃそうだ

―いい加減飽きてきました

―おお、僕もちょうど思っていたところです

―別にブレーキで祭りしなくても、世の中はブレーキばっかりですよ

―これないと歯止めが利かなくなりますからね

―何事も

―うんうん

―あ、そうだも一つ言うの忘れてたブレーキがありました

―なんですか?




…なんだか忘れちゃいました



―そうそいつは残念

―ブレーキ、ブレーキ、ああブレーキ、僕はこんなに君のことが

―何がいいたいの?

―いやまあ、先日本屋で「ブレーキ」っていう本があったもんで

―興奮しちゃった

―うん

―僕はブラッキーの方で興奮しますが

―ぶら…?

―ポケモンですよ、ポケモン

―へーそんなブレーキみたいな奴がポケモンに

―とてもスタイリッシュですよ

―こりゃ買いですな

―んだな…と今更なんだけれども僕が欲しいブレーキが一つむだけ見つかりました

―おお!そいつはよかった!で、なんのブレーキでしょうか?ここの屋台には古今東西
 様々なブレーキを取り揃えて



―この会話をとめるブレーキをお一つ






…そいつは盲点でしたな、お一つ二百二十円です


―そいつはどうも


―ほめてませんから


―ほめられても嬉しくないです


―ではまた、どこかのブレーキ祭りで会いましょう



―ぼかぁもう会いたくないよ、



『じゃ』
 



自由詩 ブレーキ祭り Copyright 赤青黄 2013-01-14 02:12:03
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