マスカラ
藤鈴呼

何でも 半分こ
笑いながら じゃれ合う子犬を 連想しながら
何処かで眺めた表情を 
思い出している

一つずつ 分け合うことなく 繋いだ糸は
合わせると 強く なるけれども
少し 儚い
それは 誰が 決めたこと?

依存と胸像の狭間で 煎餅を割る
力を入れて 勝ち取った 一欠片
勿論 とても 小さくて
歩合制
懐かしくもない言葉が 心を 掠めた

瞳が 微かに 揺れて
燃え上がる 煙の先に 夢を見て
それから
それから

もう一度だけ 眠ろう
ゆっくりと 瞼 閉じれば
落とし忘れた マスカラが
ガッチリと 絡み付いて 離れない

もう 一生 離れなくったって いいんだ

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自由詩 マスカラ Copyright 藤鈴呼 2013-01-13 20:46:46
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