しっかりしろ
藤鈴呼

本当は 一緒に 過ごしたかった
沢山の 漬物が 薫る 店内

元々 スモークは 好きじゃあ 無いんだ
燻ったのは 想いだけ

咳き込んだ あなたから 滲み出る色は
淡い 桃色

そこかしこを 染める 甘い香りに
未だ 大丈夫だと 錯覚が 生まれる

勘違いだらけ 大きくなって
今日こそは 揉んでしまわねば ならぬと 知った

開店休業の マッサージ ショップ
欠伸をする瞬間を 捉えた レンズ

何倍に 伸ばしても 薄く伸ばしたピザのように
美味しく ならない

何倍に 薄めても 綺麗に描けぬ 絵具は
硝子 専用

窪んだ瞳の向こうに 失くした枝が 見え隠れ
背景は 黄緑だから 綺麗に映るんだ

万華鏡のようだと 虚ろな感覚で 尋ねれば
額を ピシャリ 叩かれる

しっかりしろ と 呼び起される
その 瞬間だけを 夢見ている

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自由詩 しっかりしろ Copyright 藤鈴呼 2013-01-12 17:35:32
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