汗ばむ背中と神さまの思惑
石田とわ



      草の香りのする夏の夜に
      汗ばむ背中に頬をつけ
      両腕をからめ眠りにおちる
      そんな不埒なことばかり
      冷たい布団のなかで
      手足まるめて思ってみる
      やがて冬は終わり
      木々の芽はふくらみ春になる
      なにもせずとも季節は巡る
      それは確かな決まりごと
               
      たとえあなたがいなくても
      夏はくる
               
      汗ばむ背中を抱くために
      いったいなにができるのか
      ただただこうべを垂れて
      祈るしかないのだろうか
      祈ることに虚しさを覚えたわたしを
      神さまはどう思う
               
      男の背中と神さまについて
      ひとり悶々と考える冬の夜


















自由詩 汗ばむ背中と神さまの思惑 Copyright 石田とわ 2013-01-04 23:29:48
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