陰をあたえる
平井容子
無量無辺のこのことを
寄る辺なき時代の卵白が包んでいる
さかさまつげを背にして眠る
わたしたちの
やさしい負けはいつの日も決まっていて
いつか必ず
だれの目にもとまらない場所で
そっと歌になって終わります
自由詩
陰をあたえる
Copyright
平井容子
2012-12-27 22:52:30