落葉回収車
三田九郎

紅葉のこぼれ落ちた

駅前帰路の並木道

車の往来は失われ

したたか飲んで帰る夜更け

等間隔の街灯の

ぼんやりした厳冬の下

黄色い色した清掃車は白煙を上げ

箒を手にした作業員は吐息を重ね

通りの落ち葉を回収する

アスファルトを擦る音響

落ち葉はひとりでは消えず

誰かの手が片付けるのだ

中空の彩りに

現実を忘れた秋の日は過ぎ

僕の落ち葉には

僕しかいない


自由詩 落葉回収車 Copyright 三田九郎 2012-12-15 07:05:58
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