靴底
そらの珊瑚
靴底を裏返してみる
均等に減っている
癖のない人が
うらやましい
愛用すればするほど
そこに紛れもない自分の足跡が刻まれる
靴底なんてどうでもいいぢぁありませぬか
それでもうらやんでしまうのが人間なのでしょう
靴底に裏書きしていく
歩くことが
自動記録装置に直結していて
歩き始めた一歳から
それは引き継がれている
不器用な私の証拠
私が詩を描く理由のひとつに
不格好に磨り減った
この靴底がある
吐き出した言葉を靴底に足し
バランスをとる
なんとか転ばずに
今日を歩いていくために