わたしはねこ
あなたの脇のした 或いは
ストーブと向きあって 眠りたい

わたしは陽だまり
あなたが苦しくなったとき
そっと寄り添わせてほしい

わたしは鳩
平和なんて考えたこと
ないけれど あなたは
平和の象徴だといって
わたしの白い胸を撫ぜる

わたしは砂漠
愛なんていらないけれど
この花を育てるだけの
ほんの少しの 水がほしい

わたしは風船
あなたの言葉ひとつで
簡単にしぼんでしまう

わたしは流星群
大気圏で燃え尽きるように
あなたに身体を差し出すだけ

わたしは青い
前よりずっと 臆病で青い
熟れ損ねたトマトのように
前よりずっと ちっぽけで青い