灰が降り積もる埠頭の先で
衣 ミコ



離れてゆく船尾から
手を振るあなた
晴れやかな光射す午後に
まっ白な服を着て

握りしめた写真に火を付ける
二度とあなたの哀しいいのちを
逆に引くことが出来ないように、

灰が降り積もる
埠頭の先で
暗い海に

背を向ける。



自由詩 灰が降り積もる埠頭の先で Copyright 衣 ミコ 2012-12-13 06:17:30
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