サンクチュアリでの夜の、
もっぷ

首都高に陽は沈み
滞りのなく済んだきょう
帰り道にも屈託のなく
靴を脱ぎ捨てようなんて思わずに
橋を渡ることができた

今は部屋にくつろいでいる
五畳のわたしの聖域は
しっかりと夜の帳に守られて

オーガンジーの向こう側の
憧憬が少しだけ
ほんの少しだけ気になるのだけれど
眠りに落ちてしまえばすべて善し

アナログの音色の満ちる60Wの枕許には
いくつかのお守りが並んでいて
今夜は誰を抱きしめる?
眠りひつじがふたつ
眠りうさぎがひとつ
そしてあなたの

の入ったロケットペンダント

木枯らしの窓を叩く冬の
一日はやわらかく閉じようとしている
逆らうまい
決して逆らうまい
老い
へのこの道のり

、そんなことを思いながら
さぁ明日も生きよう
眠りひつじのラムネと名づけた彼を抱きしめながら
いつもの祈りを奉げる頃には

見えない宙で星がひとつ瞬いた
ような気がした


自由詩 サンクチュアリでの夜の、 Copyright もっぷ 2012-12-11 13:31:12
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