鼻歌礼賛詩
まーつん

青空の下で歌いたい
防音壁に囲まれた
カラオケボックスの中でなく

往来の真ん中で歌いたい
国会議事堂でも歌いたい
処刑場でも歌いたい
葬儀場でも歌いたい
教室でも歌いたい
職場でも歌いたい

コロシアムの真ん中で
光輝く月面で
古い校舎の屋上で
雨に濡れそぼるマンホールで

怒鳴り声は大嫌い
ひそひそばなしも聞きたくない
泣き声よりも 説教よりも
世界を美しく飾る音

花が開くように
大きく口を開けて
人は歌うべきだろう

キーが外れても関係ない
ガラガラ声でも気にしない
空気なんて読みたくない
歌詞を忘れても問題ない

働きながら
闘いながら
休みながら
歩きながら
座りながら

歌う自由があればいい
喜びの歌 悲しみの歌
怒り 当惑 夢見がち

どんな心の表情も
歌の河から汲み上げる
歌えば気持ちは晴れていく

どんな憎しみも溶けていく
どんな悲しみも運び去る
どんな喜びも受け止める
どんな戸惑いも晴れていく

歌は心の泉
内側から湧き出でる
゛わたしはここだ゛という

生命の主張


自由詩 鼻歌礼賛詩 Copyright まーつん 2012-12-03 22:54:07
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