タイトロープ
梅昆布茶

張り詰めたもの
鋭く一文字に空間を切り開く

切ないもの
鬱々とした恋の綱渡り

儚いものばっかりを見てはいけないのだけれど
儚さばかりが心のよすがだった

国家が機能しない病気の国で
詩なんぞ転がしている馬鹿者ではある

いまさら正気を問う気も無い
前例という虚しい壁があるのかもしれない

たぶんマルクスは共産主義を
掲げてはいなかった

ただ資本の概念と
それの分配の有り方を
わかりやすく図解してくれた

エンゲルスはそれを補完する
データをしめしたのかも

すべて経済学という術的な世界だと思う

僕の次の嫁さんはファミレスのウエイトレスでやっと
正社員になれた

アパートを追い出され友達の家で
子供四人でよく生き抜いてるなって
呆れた人

いいよ返さなくって
いく度も言って
四人の子供たちにけっこう癒されていた

僕の恋した人はとても疲れていた
男と別れられなくて
それでもその詐欺師の言葉に
怯えて

恫喝するものにとりこまれてしまう

ぼくには助けられなかったこと

でもいつも思っていること

いつもすきであることが

せめて
彼女に届けばと思っている





自由詩 タイトロープ Copyright 梅昆布茶 2012-11-25 21:05:36
notebook Home 戻る  過去 未来