[:other
プテラノドン

歩道橋から
ひとりでに降りてきた
自転車の荷台には
期限切れの缶詰の山。

パイプ老人は痰を吐き出し
話題に上がるのは
幾ら値切ったとか、
踏み倒した事故処理と

レジの前で立ち往生していた連中を
落ち着かせるのに
じゅうぶんな、一つの
スケール。

―別れた後でも再び、
紙包みを取り出すとはまいったね。
願わくば、
夜霧もろとも吸いこんでほしい。

時計屋の娘はオープンカーから
身を乗り出し
一体いつまで?手品を
披露し続けた。

そして、空の缶詰の中で
野良猫たちが賑やかに
眠るあいだ
足音すら凍りつく

公園内に措いて
寝床となるのは
隆起した、
クレーターの数々。



自由詩 [:other Copyright プテラノドン 2012-11-24 03:12:33
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