海へよせて
高瀬
わたしたち、から
あなたたち。へと
いってしまった
わたしが結った白糸も
頼りないまま意味をなさずに
陽射しがまぶしくて目が眩むの
黒い裾が砂を飲むのよ
どうしたってここは昼間で
まぶしくて仕方がないの
きみは月の敷いた道を見た?
待てども待てども
その日はこなくて
窓を開け放しては
朝のにおいを嫌う
干からびた秋が
木の葉色に褪せていくのを
頬杖で見ていただけだった
巡りもしない季節がめぐる
あの波打ち際、
その海の先に
何を見たの
自由詩
海へよせて
Copyright
高瀬
2012-11-23 18:09:30