わたしの森で
木の若芽

「わたしの森で」
              木の若芽


どこに行こうとしていたのかわからなくなってしまって
どうしても?わたしの森?の入り口にきてしまう
何べんためしてみても同じこと
高い高い木々がうっそうと立っている

きっと入っていけば
行くべきところへ出られるのだろう
 
そしてその途中でか 森を出たところでか
めぐり会いもあるだろう
 
なぜここは?わたしの森?なのだろう
なぜそれは確かだとわかるのだろう
この不思議にほほ笑んで歩みだす
 
あの茂みの奥に
いつになくうやうやしいしかたで目をやると
もう胸があたたかくなる
さあ会いに来ました 戻ってきました
故郷に帰ってきたように
もう胸がぬるんでくる
 
ああ大銀杏よ やはりたくましい
おおソロの古木よ かわらず風格をまとって
 
前から願いつつできなかったことを
今日こそさせてください
あなたの斜めに伸びたたおやかな幹に
そっと体を寄せ横たえさせて
 
その瞬間 何万光年も彼方とここが
わたしの中でひとつになり
初冬の大気と宇宙の空がとけあって
すべてのいのちにとってなつかしいところが
まわりに広がり現れる


自由詩 わたしの森で Copyright 木の若芽 2012-11-20 15:34:00
notebook Home 戻る