衣 ミコ


両親を持たない
孤児はさ迷って
乳が欲しいと雌の裾を掴む
だのに女は乳房を持たない
大聖堂の聖母も大通りの花売りも路地裏の娼婦も
まるで育むことを拒むように
首元までボタンを閉めて
長いペチコートを着込み
性器の傍まで白い粉を叩いて
血液で染まっても錆びない
銀貨だけを求めている


自由詩Copyright 衣 ミコ 2012-11-12 06:03:02
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