ペール・ラバ
nm6


サックス
楽器は泣けるように生まれた
ぼくは泣けないそう簡単には
ストーリーだけでこんなの文学じゃないし
まるで教訓まみれで、戦慄するキレキレのことばが足りないし





忘れること、甘美
アイスクリーム溶けていくし
舐めるように別れちゃったし
ペロリと
    するりと





ホワイトラム、トニックウォーター、ジャズ、ひとつだけの電球光るし
ピアノ、ハイハット、ベースうねるし
昨日も今日も未来から現在のほうへ流れてきたのだった
山のように積み重なりを切り崩すライフなのだった
呪縛なんてとっくにとけてるし
メルト
真夜中に光るし
言えてしまうことすべてのつまらなさつまらなさつまらなさ
しなさい
ならばしなさい
ホワイトラム、トニックウォーター、とっくにきみは
なんでもいいんだデリート・イットさ
忘れること、ああ忘れること、なんて甘美





なるほど
ザ!
濁点

きみのいない夜は1000年つづいた
やがて1001年目がやってくるのだ






サックス
楽器は泣けるように生まれた
ぼくは泣けないそう簡単には
ストーリーだけでこんなの文学じゃないし
ストーリーだけでこんなの文学じゃないし
端的に
端的にいってつまらないよと
それだけ言いにきたのだった
ふるえる、ようにして


自由詩 ペール・ラバ Copyright nm6 2012-11-06 00:16:05
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