ペール・ラバ
nm6
夜
サックス
楽器は泣けるように生まれた
ぼくは泣けないそう簡単には
ストーリーだけでこんなの文学じゃないし
まるで教訓まみれで、戦慄するキレキレのことばが足りないし
*
忘れること、甘美
アイスクリーム溶けていくし
舐めるように別れちゃったし
ペロリと
するりと
*
ホワイトラム、トニックウォーター、ジャズ、ひとつだけの電球光るし
ピアノ、ハイハット、ベースうねるし
昨日も今日も未来から現在のほうへ流れてきたのだった
山のように積み重なりを切り崩すライフなのだった
呪縛なんてとっくにとけてるし
メルト
真夜中に光るし
言えてしまうことすべてのつまらなさつまらなさつまらなさ
しなさい
ならばしなさい
ホワイトラム、トニックウォーター、とっくにきみは
なんでもいいんだデリート・イットさ
忘れること、ああ忘れること、なんて甘美
*
なるほど
ザ!
濁点
きみのいない夜は1000年つづいた
やがて1001年目がやってくるのだ
*
夜
サックス
楽器は泣けるように生まれた
ぼくは泣けないそう簡単には
ストーリーだけでこんなの文学じゃないし
ストーリーだけでこんなの文学じゃないし
端的に
端的にいってつまらないよと
それだけ言いにきたのだった
ふるえる、ようにして
自由詩
ペール・ラバ
Copyright
nm6
2012-11-06 00:16:05
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