白いけむり
そらの珊瑚

晴れた日曜日に車を走らせれば
道々に白いけむりが立ちのぼっている
枯葉を燃やしても
人を燃やしても
家を燃やしても
出せなかった手紙を燃やしても
その煙の色は白い
かたち在るものは
燃やされて白いけむりになる

この世は不確かなものに満ち溢れている
もしも私がハンドル操作を間違えば
ブレーキをかけても間に合わず
たちまちガードレールを突き破り
車は崖下へ転落し
命を落とすかもしれない
来るはずだった月曜日は永遠に消える
生を取り巻くもののなんとはかないさだめ
そうしてあっけなく
一生を終わってみれば
その先には確かなものだけが続いている
あのたよりなげな白いけむりの先に続くものこそ
たったひとつの確かなものだ





自由詩 白いけむり Copyright そらの珊瑚 2012-11-05 09:24:14
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