アソコ伝 21章
花形新次

スマレンタの村には
病いに苦しむ人々が大勢いた
病いの人々はフトリギスと呼ばれていた
フトリギスは夜眠りにつくと
ゴー、ゴーという大きな音を出すので
スマレンタの村の衆から迷惑がられていた
フトリギス自身も自分の出す音で
目を覚ますぐらいだった
タマンキとその弟子たちが
スマレンタの村に招かれたとき
フトリギスだけが住むコレステロースという場所があることを
羊飼いの山村健太から聞いた
タマンキは羊飼いの山村健太に
「私をコレステロースに連れて行って欲しい」と言われた
コレステロースに着くと
昼間なのにうつらうつらしているフトリギスに向かって
タマンキはこう言われた
「太り過ぎで寝ているときに気道が塞がっている」
この病いは、その後2000年経って
睡眠時無呼吸症候群と名付けられた


自由詩 アソコ伝 21章 Copyright 花形新次 2012-10-26 18:13:51
notebook Home 戻る