ドンキホーテの黒カーテン
あさなぎ
備え付けの安い蛍光灯が揺れて、
壁にこびりついていた様な淡い明暗がさざなみを起こす。
黄ばんだ掛け布団の中には、化粧をしたまま眠る女。
山羊は長方形の黒目でこちらを見て、俺は、金が無ぇ、と呟く。
隣家の瓦が一枚だけ新しくなっていた。
自由詩
ドンキホーテの黒カーテン
Copyright
あさなぎ
2012-10-22 03:55:55