葉leaf

お前はついに来なかった
その足音をどこかに葬り去ったままで
俺が自分の嘘を屠殺するこの広場まで
稲は刈られ 柿は熟し
だがお前は来なかった
来なかったという銀河を巻き
来なかったという未来を提げ
これらの嘘はすべて
風のように気まぐれな
二人の間のゆがんだ距離を経て
お前に手向けられたものなのに
大気に水が混じり
空の火が淡くなり
俺の嘘はあらゆる方角を経て
嘘の方角はきしんだ欲望へと集まり
欲望の集まりはお前の口の中へ
俺が傾きお前が支え
その下を無数に流れて行った嘘を
それでもお前は見殺しにするのか
俺のすべての嘘はお前のすべての死児
お前の死児への祈りも俺のついた嘘だ
お前はついに来なかった
俺はお前の死児である嘘たちを焼く
焚火を焼くようにのどかに
怒りに身を狂わせながら


自由詩Copyright 葉leaf 2012-10-20 16:01:43
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