外出
ドクダミ五十号

ロイヤル・ブルーの空に

白い布団が敷いてある

私に無縁で遠い

トレッキング・ストックを

アスファルト・コンクリートに

突けば似つかわしく無い反発

私に縁のある衝撃か


よく磨かれたガラス

飾り窓の向こうの商品は

きらびやかであった

華美であるので

私には似合わぬであろう


出掛けに庭の草を抜いた指

肉と詰の間に土が在った

よく見れば爪が畝の様である

やまいているの証拠なのだが

私に相応しいらしい


街路樹は無様に剪定され

寂しく一葉が風に揺れて

来る冷たきものを予感させる

そう云う秋の巷に

似つかわしかろが

似つかわしく無かろうが

三本足で進む


疎外感の苦味を反芻しつつ

そして悟るのだ

行き場は決まっており

誰もが漏れ無く向かう結末こそが

私の着くべき唯一なのだと

同意の如き痛みが膝を走った


自由詩 外出 Copyright ドクダミ五十号 2012-10-20 05:34:09
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