待ち伏せ
ぎへいじ

残業も無いのに帰宅もせずに待っています

午後7時45分

太陽をいっぱい かごに入れていますね

知っているんですよ


この建物の中は 外より寒い

大丈夫 安心して下さい
合うまでは帰らないから しっかりと暖かい支度をして来ました


今日は嬉しい
見つけましたよ

すぐ後ろで熱く見つめているのに 気が付かないふりをして

分かっているんでしょう

本当は この息づかいまで感じているくせに


その太陽を 小さなかごの中で いじり回す仕草はまるで いたずらな天使


しなやかなリズムで動き続けるその指先は
照明の光りさえ 恥ずかしくなるほど 眩しく美しい



私はもはや人間ではありません

人と言う名の けだものと化して あなたの太陽を奪い取るしかこの欲望を満たす事が出来ないのです





あのー
すみません
これにも半額シールを貼ってもらえますー
消費期限12・10・2午後9時製造年月日12・10・2
とり甘酢 あん弁当397円


あー
これはまだー

太陽が


自由詩 待ち伏せ Copyright ぎへいじ 2012-10-17 08:19:04
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