ひたむき
渡辺亘
瞳 閉じて下さい
その瞳から
光もれぬように
息 ひそめて下さい
その唇から
恋語られぬように
恋は百年続いたけれど
既に潰えた
青春の輝きも
今は色褪せ
光と影に満ちた時代は
遠い昔
しかし
それでも
私は青春を謳う
この胸に輝き蘇るように
いつもこの胸に
恋宿るように
青春とは
「ひたむき」の異名
なればこの一瞬を
ひたむきに生きてやる
誰にも負けないくらい輝いて
この一生を突き抜けてやる
心から心へと
炎のバトンは受け継がれる
まさにこの詩は炎のバトン
受けとった者を青春の輝きへと
連れこんでいく炎のバトンなのだ
瞳 閉じて下さい
その瞳から
光もれぬように
息 ひそめて下さい
その唇から
恋語られぬように