ひたむき
渡辺亘

瞳 閉じて下さい
その瞳から
光もれぬように

息 ひそめて下さい
その唇から
恋語られぬように

恋は百年続いたけれど
既に潰えた
青春の輝きも
今は色褪せ
光と影に満ちた時代は
遠い昔

しかし
それでも
私は青春を謳う
この胸に輝き蘇るように
いつもこの胸に
恋宿るように
青春とは
「ひたむき」の異名
なればこの一瞬を
ひたむきに生きてやる
誰にも負けないくらい輝いて
この一生を突き抜けてやる
心から心へと
炎のバトンは受け継がれる
まさにこの詩は炎のバトン
受けとった者を青春の輝きへと
連れこんでいく炎のバトンなのだ

瞳 閉じて下さい
その瞳から
光もれぬように

息 ひそめて下さい
その唇から
恋語られぬように




自由詩 ひたむき Copyright 渡辺亘 2012-10-13 23:21:52
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