下り坂の何処にて
短角牛

僕の範囲は僕だけだ

僕だけだ

全身タイツのようやぴたりと

僕の中だけだ

部屋は広すぎる

空気が多すぎる

空間が広すぎる

年老いていけば

自分ですら自分の範囲でなくなっていく

既にその転落劇は始まっている

僕は僕なのに 僕でなくなっていく

今も自由じゃないのに まだ窮屈になっていく

努力に意味はあるのか?

焼け石に水じゃないか?

そう思うなら そうしろよ

そういって 皆何処かへと消えていく

糞程に美しい虹のように。


自由詩 下り坂の何処にて Copyright 短角牛 2012-10-12 21:46:43
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