さらいねん
あおば

                     121010



横顔の君はとても綺麗です
チャーミングですと煽てられ
そんなでもないのにねと
悪い気もしないので照れ笑いを隠しながらふり向くこと5万回
そこに誰かのいた例しがない
気のせいではない
確かにすぐ横で誰かが囁いたのだ
幻聴ではない物理的な音声が轟いて君の耳殻を振るわしたのだ
その証拠にもうじきに総選挙があるだろう
僕の君の支援する候補者が選出されるかどうかは分からないが
誰かが立候補して選出されて組閣してなにかを画策したがるのだ
ノーベル賞には縁の無さそうな面々が立候補するのだから
新規性は当てにしない方がよいとニュース画面を見ながら思うのだけど
近年、駅のホームから線路に転落する人が増えたような気もする
ホームが混雑して人との接触を気にして電車の音が聞こえなかったりして危険物への気配に気を配る余裕が無くなったのかも知れない
確かに5万回もふり向いたのにそこには誰もいないとなると人はつい油断して気を緩めてしまうのも無理はないねと再来年に期待する誰にも期待されない人物は少しだけ真面目な顔して考えるのだ。


自由詩 さらいねん Copyright あおば 2012-10-10 12:28:58
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