クリスタルガール
マーブル

あまいシロップ飲み干したら
猿が金星でおどりだした
クリスタルガール 
欲しいものは銀色のナイフで
愛の祈りをほざいても 
リルカは哂うしかなかった




まっしろな贅沢で まさに
まっさらになりたいなんて
花瓶を割って 繋いだ真実
おぼれるほど必要とされたくて
とぎれとぎれで結んだ
贅沢な嘘と去来でうつくしい




君はいつか
わすれていった
吐き捨てた記憶を
ぼくになすりつけ
どこへ走っていく




ギリシアの雨が
路上を濡らしていく
そのみずたまりに
少し曇った顔つきが
クリスタルガール
瑞々しいね




ドライアイスで火傷した
クリスタルガール
乾いた花に見惚れても
すべては彼女のもので
冷めた目つきさえ
ロマンスなんだ




冷血な天使が彷徨う街
なにがおかしくて笑っているんだ
なにがかなしくて泣いているんだ
なあクリスタルガール
そのままベッドにたおれこんで
蒼白の月を睨みなよ


酔ってハッピーエンドを呪う
粉々な身体
水滴のような感情
点滴の滴るその冷めた感情で
あおい森をイメージする
そして燃える森に
ほんとうは怯えてしまうこと
それくらい



燃やしてしまえばいい
タバコで身を燃やして
ますます赤くなる錠剤を
かみくだいて
赦されない行為に懺悔をして
憎悪だらけのマリア
海へ行こう
















自由詩 クリスタルガール Copyright マーブル 2012-10-10 00:53:28
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