妄想受付
アラガイs


もう何回目になるだろう
小銭を取り出してからのおつりはいつものように素早かった。
三枚の十円玉が大きくみえたのは、意外にもおんなの手のひらが小さかったからだ 。
こんなオーバーな言い方も案外効き目はあるかもしれない
( えー 可愛い小さな手のひらですね 。だったら足も小さいのではないですか?)
ほら、案の定眼鏡の底に隠れた海面の綻びが一瞬にして液状と化した。
硬い金属質の瞳がシリコン溶解をはじめ
照れ笑いを浮かべながら、目尻はもう桜貝に染まっている
よく言われるというその永遠の特権を認めるように彼女は頷いた。
そう、おんなはきまってそのときから印象を露骨に変えるのだ 。
…比較して小さな手足を携えた女性との交わり…その具合の良さは既に経験済みで、それが何を意味しているのか
いまは互いが笑いで誤魔化しあっている
さりげない殺し文句のつもりで一言置いて去ることにしよう
( わかりますか?旦那様がうらやましいですね )
月に一度の通いだが、次からは確実に期待へと楽しみは変わるはずだ 。












自由詩 妄想受付 Copyright アラガイs 2012-10-10 00:12:33
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