約束
かんな


君の前で
ショーツをするすると
脱げるようになってから
隠すべきところと隠さざる
べきところがわかるようになった気がした

雨が降って
傘を忘れていったことを考えていたときだった
君が濡れて走っている
情景を思い浮かべると
ドアが開いて私に抱きついてキスを
繰り返す
姿をおもった

お気に入りのイスがある
その曲線に魅せられて
何時間でも
跨っていられる
私が中年のおばさんになっても君は恋に落ちるだろうか
死に近づけば近づくほど
ひとは血眼になって
愛を残したくなるのか

雲が月を隠した
性交を繰り返す君と私にライトはいらない
明日の朝は小鳥の
鳴き声がうるさいかもしれない
だから覚えておいて

死について論議できるほど
わたしはそれについて知らないけれど
しかしひとは死んでいくから
だから覚えておいて
ある日の朝
ベットの上で息をしてなかったとしても
私の分のコーヒーを入れてね





自由詩 約束 Copyright かんな 2012-10-09 17:06:00
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