血道唱歌
高原漣

まなこを曇らせ歌う群衆

『夷狄一蹴進撃を』

『はや我が軍は重ねたり』

軍港みなとを見れば百艦の』

『煙は空を焦がすまで』

踵を減らして踊る踏みしめる群衆

「ダモクレスの剣が、おれの頭上に吊るされる」と

あの男は言った

歌いながらおれたちは

ふと思い出したんだ

あの男の死に顔を


自由詩 血道唱歌 Copyright 高原漣 2012-10-08 00:58:48
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