夕焼けの海
朧月

秋の山肌は
あかときいろにゆれている
思ったより悲しくないらしい

少し風だけが
さみしがりやで
いつのまにか心の中にまで
ふいていた

長袖の人と
半袖の人の同居で
季節のあいまいさはきわだって
影だけが忠実だった

ていねいと
いう言葉を何度も想う
まるでおかした罪のつぐないの
ように何度も

夏へもどりたくなる
電車で海へむかうよに
そこに夢があったみたいに

あかときいろの山肌に
波をみる
夕焼けの海の



自由詩 夕焼けの海 Copyright 朧月 2012-09-27 22:49:55
notebook Home 戻る