昇華
ドクダミ五十号

秋の日差しが 梢を貫き 斜めに大地に刺さる 階段の様だ

いつの日か 私が揮発して この空に混入する その時は

これを登って行きたいと 望むのである

きっと 晴れやかな心持ちで 徐々に混ざるだろう

登る私から 剥げ落ちる 憂いは 転がり落ちるに違いない

こんころりん と 愉快な音を発てて

そう 音すら剥がれ落ちた 私は 無音と無言のままに 登る

晴れやかな笑みを 悲しい背中に反して 浮かべて

そうで在って欲しいと ひかりに揺らぐ 薄の穂を眺めながら

ただ 願うのだった
 


自由詩 昇華 Copyright ドクダミ五十号 2012-09-27 07:01:55
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