秋の校舎
朧月

制服は重かった
着る理由も教えられないまま
私たちはだれもが脱げなかった

なにかというと並ばされた
振り向いて
目があうことがこわくて
ホントウノコトがほしくてたまらなかった

大人たち
と ひとくくりにするとき
私たちはひとつになった気がした

秋の光は 風は
いつもあのころを思い出させる

制服は重かった
それを着ていない今
どうして私は身軽じゃないんだろう

蔓は上へのびて
とらわれているのは
校舎だったはずなのに





自由詩 秋の校舎 Copyright 朧月 2012-09-25 21:52:28
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