チャチ
マーブル

太陽がラッパを吹いても
月がバイオリンを弾いても
最後は祈ることしか頭にない
最後は祈ることしか頭にない


私の湖に小舟がやって来て
そっと浮かばせてあげるこの腕は
いつでも身軽でありたいものさ
あんたは喋らないものに命を吹きかける
幻想をこよなく愛している



安いライターでかまわない
火を貸してくれ 


太陽がラッパを吹いても
月がバイオリンを弾いても
最後は祈ることしか頭にない
最後は祈ることしか頭にない


ぼろぼろのずたずたされた雑巾になったとして
それでも愛想尽かさずに汚れたしみを拭く為だけに
使い古してくれるのならば
雑巾は
多分何も文句1つ言わずに
あなたの雑巾になったことを幸せに思うのだろうか


少なくとも私は
魔女でも妖精でもなく
光でも闇でもなく
花でも月でもなく
ただの布切れにすぎなかったかもしれない
それでもいいと
思い始めたのであった



春にも
夏にも
秋にも
冬にもない
憧れだけが湿気をふくんで
ふやけた華奢な笑い声で
私はちいちゃなエレジー
吹き飛ばした



最後は祈ることしか頭にない
それしか頭にない


だってミモザは
いつだって
遠くも見ていたし
近くも見ていたから
自由だったんだと思う







ねえ青葉
聞えてるかい?









私のチャチな呼吸










自由詩 チャチ Copyright マーブル 2012-09-23 04:13:10
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