秋の気持ち
ただのみきや
秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
公園のベンチで寄り添いながら
燃え落ちて行く一日に微笑みかけよう
冷ややかな斜陽に染まりながら
孤独というマフラーを巻いて はらはらと
悲しみを落として行く人のため
澄み切った夜に凍えては 星々を
見上げている枯れあざみのような人のため
迷子になった思い出たちの葬列のために
練炭一つほどのやさしさ
伝える術を巡らしながら