XYZ…
アラガイs


登りきれなかったエレベーターを空から眺めては
帰りきれない胸の巣穴に染みだしてくる虹灰色したシナプスネオン
躊躇いながらひたすら歩いた街の夕暮れ
恋人たちの肩を揺らすショーウインドウ/外灯の影
アスファルトに弾む足音
たった一コマのなかで咲いてみせた織物のように

ぼくがぼくに捧げるもの
きみがきみに捧げたもの
なくしたピンのイニシャル

上着を重ねる冷めた夜に
閉じた枝先に凍みるシャイな眩しさ
眠りにつく鉢は窓から
凍る雪のアンブレラ
淡い光りが土を隠し
冷めた熱はまた融けだして
虹色のなか星の枕だけが浮かぶ
ふりかえる/風は
/いつも夢をみていた 。












自由詩 XYZ… Copyright アラガイs 2012-09-20 04:20:39
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