花火
itukamitaniji

花火

僕の魂は誰にも 話すことなく閉じ込めた
あの空を 今でも夢に見たままで

心に残った熱は 君の形をした火傷になった
冷えた水を 今でも沁みて痛んだ

さようなら さようなら ひとり呟く
さようなら さようならって


そして僕は舞い上がって 出来るだけ高く高く
届くように 最期に君に見てもらえるように

さようなら さようなら ひとり呟く
さようなら さようなら さようならって
さようなら さようなら どうか元気で
さようなら さようならって

どんな人ごみでだって きっと見つけてみせる
誰かの隣で笑う 君の姿を見送ったら
僕は燃え尽きて 燃えカスさえ残さずに
夏の闇に溶け込んで 名前のない風になる


自由詩 花火 Copyright itukamitaniji 2012-09-11 21:50:26
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