眼鏡とブックカバー
三田九郎

眼鏡変えたんだね

え、あ、うん、

戸惑いを読み解かれてしまいそう

恐怖、羞恥、快感が

音を立てて入り混じっていく

アップル、

オレンジ、

マンゴーも入れてみました

時折、宙を泳いでは

文庫本に落ちる視線

なに読んでるの?

ペースをくくるわずかな音

存在が溶け出す吐息

訊きたくて

訊けなくて

もだえて

笑えた

音を立てて入り混じる

眼鏡と

ブックカバーと

あなたと

わたし

昼と夜が

溶ける夕闇

手を繋いだ

九月十日


自由詩 眼鏡とブックカバー Copyright 三田九郎 2012-09-11 21:48:25
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