アトリウム
いばら
わたしたちが
生まれたときから知っていて
生まれたときから許せなくて
生まれたときから諦めていること
継ぎ足しながらダラダラと生きてきて
摩耗していようと
瞼を閉じれば
いつでも帰ることができた
季節は夏
ガラスの向こうに広がるアトリウム
土の匂いと
バニラアイスクリームの匂い
わたしが生まれて死ぬところ
そして何度も蘇る
(サンクチュアリの中の、アトリウム)
自由詩
アトリウム
Copyright
いばら
2012-09-07 21:48:13