灯台
春日線香

鳥の
輪を描くように
腕の中で時計を
守ってほしい
日に細かな気泡の浮かぶ
ガラスの器に
首の折れたストローを挿して
二重になった影を
辿ってほしい
絡めた指先から
震えとともに
雨を奏でて
しなる帆を
闇の赤に沈める
湾を
終わらせてほしい


自由詩 灯台 Copyright 春日線香 2012-09-04 02:36:42
notebook Home 戻る  過去 未来